No.2「南側道路=最良の土地?」


「南側道路=最良の土地?」
  こんにちは、湯浅です。今年最初のコラムは作り手の立場から見てお客様にもっと知って欲しいと思うお話を一つ。土地選びについてです。
皆さん土地を選ぶ際日当たりをかなり気にされると思います。中でも南側道路の土地をお探しの方は多く、実際相場も高めでありながら出ればすぐに売れてしまいます。

  しかし、実際にお住まいの方からお話を聞くとさほど満足されている訳でも無い様なのです。
みんな良いと思っている土地なのに実際に住んでからなぜ気持ちの変化がおこってしまったのでしょう?



南側道路の土地で良くあるレイアウト

南側道路の家
▲道路と南側に面した土地に、庭前面、東西に伸びた家。
  南に面する部分に庭、そしてリビング。朝夕ベストな日当たりが期待できそうですが…。

■問題点1:プライバシー
実際に上の条件で建っているお宅によくある事象として

『常にカーテンが閉じたままになっている』

という事があります。日当たりが良いが為に外からも見えやすく、人の眼が気になって落ち着かない。その為自然とカーテンを下げたままにするお宅が多いのです。 これではメリットである採光があまり得られていませんね。


■問題点2:実は『南向き』で無い。

  冗談みたいな話ですが、要は真南かどうかと言う事です。南向きの面が日当たりが良いのは確かですが、夜明け〜日暮れまで満遍無く日が当たるためには真南で無いといけません。 しかし土地は道路に合わせて区画を切っていきますが、道路と言うのは東西に平行になっていない場合がほとんどで(例外として京都等があります)大体真南からずれています。現場に見学に行った時の景色の感覚と広告で見た南北の整った敷地図の記憶で誤解してしまう方が多いのです(住宅雑誌などの敷地図はおおよそのもので細かい部分は省略されています)。

・・・もし傾いていたら?

どちらかに傾いていると朝日か夕日のどちらかが当たらない場合があります。一番影響があるのが少し西へ傾いている場合で、朝日に背を向けてしまう事で体に一番大切な午前中の日照が遮られてしまいます。
南側道路の土地はベターな選択ではあっても無理してまで買うほどの事も…と言えるでしょう。

南側道路の家

■建て方次第で陽あたり良好

  南向きにこだわる最大の理由は日照です。1日中陽があたれば最適ですが、実際に暮らしに役立つのは夜明け〜昼2時過ぎ位までの日照でそれを得られれば十分快適です、と考えると下の様なプラン。

東側道路の家
▲道路側に壁を配したとしても南からの採光は得やすい。
値段も抑え目で、日当たりも良いのは東側道路で、南側に庭を配置するプラン。

東側道路2世帯住宅
▲二棟に分け、各棟東南にリビングを配置。
二世帯住宅では、間に中庭など開放した空間を設け各世帯に午前中〜正午あたりまでの日照を均等に取れるように。

北側道路の家
北側道路で庭を南側に配置
道路に面していないので、南側のリビングに常にカーテンなどで遮蔽する必要が無く自由です。


  設計・施工は(もちろん予算が増える事もありますが)修正、改善する事が可能です。しかし土地と道路は動かせません。 最良の土地にこだわるあまり家自体の質を落としてしまうよりも、土地条件と設計を突合せながら進めた方がトータルではコストを抑え、かつ良い生活条件を確保出来る場合が多いです

もちろん頭を捻る要素が増えて設計者は大変なわけですが…(笑)。
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