No.1「先生の作品」


「先生の作品」
  みなさんはじめまして、西部建設で設計を担当しております湯浅です。
このコーナーでは家づくりに関するお話などをご紹介して行きたいと思っております。

第1回目は設計士・建築家の肩書きについてのお話です。

設計者=先生?

  建築雑誌を眺めながらたまに不思議だな〜?と思う事が二つあります。 雑誌の中でよく使われる「先生」と「作品」という言葉です。

  世の中には先生と呼ばれる職種の方が色々いらっしゃいますが学校の先生は勿論、政治家や弁護士、医者、あとは芸術家や陶芸家もなんかも呼ばれていますね。
そして私を含めた一級建築士の資格を持った設計士もお客様から先生と呼ばれる事がよくあります。
多くのお客様が私より年上なので、そういった方から「先生」と呼ばれる事には気恥ずかしさを感じます。


で、これまた不思議なのは先生と呼ばれている方々は家を「作品」と呼ぶことです。
大抵ちょっと目を惹く独特な家が多く、あたかも芸術品の様ですが一体家は誰の為にあるのでしょう。

例えば…
  文房具屋で紙と絵の具を買ってきて絵を描いてみた「オォ、我ながらスバラシイ」
大会に出したらなんと金賞。凄い!
その後名画をバンバン出して晩年は湯浅先生と呼ばれるようになったのでありました。終わり。

  これならもう文句無しに「作品」であり私は「先生」です。 自分でお金を出してアイデアを練って作り上げた物が周りから評価され地位を得る。
自分の発想と努力が全てによるものです。

でも家はちょっと違います。
  私たち設計担当者が知識や各個人のデザインポリシーに従い設計図をつくっていきますが、そのベースとなるのはあくまでもお客様の「理想」です。 なによりそれにかかるお金は全てお客様が出しているものです。
もちろん「理想」を100%叶えた家造りは難しいでしょう。土地や御予算、建築基準などの現実的な条件や、生活する上での現実性があるからです。

●不思議に思われるかもしれませんが仮に100%理想通りの家が出来たとしてもおそらく生活しにくい家です。それについては後日またお話させていただきます。

  しかしできるだけ100%に近い形を目指す事は可能であり、それこそが我々設計士の本分です。
そして我々が目指しているのはお客様の理想80%、プロとしての思想20%というバランスです。
顧客の家を自分の作品だと思って作った家はおそらくそれが逆になってしまって居るのではないでしょうか。
家は芸術品では無く、お客様の暮らしそのもの。
建築雑誌を読むたびにその姿勢は忘れてはならないなと感じ、そしてお客様には先生などと気負う事なく100%の理想をぶつけて欲しい!と思うのでした。
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